じゃあ、指定校推薦

大学への指定校推薦についての記事をリクエストされたので書きたいと思います。

定義

私が知る限りで指定校推薦、というシステムがある国は日本しかありません。中高一貫教育で基本的には持ち上がりで中学から高校に進学する、というシステムならどこにでもありますが、それを高等教育まで繋げてしまうのでは日本だけです。

指定校にもいくつかの種類があります。

1) 付属校

例えば、芸能人子弟御用達の慶応NYは慶応大学付属校であり、希望さえすれば100%慶応大学に進むことが出来ます。もちろん、好きな学部に進める保証はありませんが、内容はともかく慶応卒、という名前が欲しくてお金がある人にはお勧めです。

2) 系列校

それに対して早稲田渋谷幕張シンガポールは系列校でしかなく、100%早稲田大学に進学することは出来ません。早稲田大学推薦枠に漏れた子供は他の大学の推薦枠を探すなり、AO入試、一般入試を選択することになります。親が海外在住であることが必須、100%保証がないので、それほどお勧めはしません。

3) 無関係

たいていの高校には親しい関係にある大学に推薦枠があり、毎年、一定人数がその大学に進学権利が発生します。2)のパターン以外は枠は1人、せいぜい数人なのでこれを当てにして他の選択肢を捨てるのはギャンブルだと思います。

メリット

特定の私立大学に思い入れがあり、ともかく入れれば満足だ、という子供なら、1)に入れれば早い段階で進学保証が発生するので、大学入試に時間を取れることなく好きなことをやっていられます。

進路が注目される清宮君がこのパターンで、父上が早稲田卒の有名人なので、早稲田に行きたくて進学保証のある早稲田実業に入って野球に打ち込んでこれました。甲子園に出るほど野球漬けの生活を高3の夏までしていたら、一般入試で早稲田合格は文系ですら辛いでしょう。

仮に彼が付属校に所属してなくても、彼くらいのビックネームなら何かしらの手段で早稲田に入れるように周りが動いてくれるでしょうが、そこまでの有力選手でないなら、進路に不安を抱えながら野球に打ち込むより、ともかく、自分行きたい大学進学すればいいと保険があるのは気持ちが楽になります。

大学入試に直接関係のないことに熱中して将来の進路に繋がるような有益な活動に専念出来ることもあります。大学入試もやはり単なる試験なので、効率がいいものではなく試験の為の勉強です。それが無駄だと考えるなら、付属校はいいですね。

デメリット

どこの大学に入るのか?が先行して、何をしたいのか?がしっかり考えられなくなりがちなので、ともかく入ってしまってから考えましょう、というパターンになりがちなのはデメリットだと思います。

高等教育での専攻が今後の自分の専門になるので、何も考えずに文系に進めば専門のない人、大学を卒業してから見つけることになります。高校生の時によく考えないことで就職する時に大きなハンデとなります。

文系進学なら基礎学力が足らなくても特に問題ないと思いますが、理系進学だと一般入試の為に受験勉強を経ていないことで入ってから講義についていけなくなる可能性があります。

推薦入試組みは基礎学力が足らない、というイメージが世間に徐々に浸透しつつあり、就職の際、指定校推薦を含めて一般入試以外で入っている学生を差別する人事もいるようです。

理系であるなら、きちんと卒業して技術的な話を出来るなら、その学力程度はわかるので入る時点の入試がどうだったかなんかは関係ないと思いますが、文系は専攻の話なんてしないので、最低限の学力もないと入れた後に地雷になる可能性があります。

帰国子女は話している分には問題なくても、長い文を書かせると子供みたいな日本語力しかないこともあるので、気をつけたい気持ちはわからなくもないです。英語だけで私大文系は押し切れてしまいますから、何も保証範囲がありません。

まとめ

入試に限らず、どんなことであっても、Aがしたいので、BをすることでAに近づこうとする、というアプローチが出来ていればいいので、その方法は何でもいいだろうと思います。逆に言うと、それが出来なくなるようなことは避けるべきです。

早稲田野球部に入りたいだけで、学業には一切の期待はしていない、と言い切れる人ならそれでもいいですし、名門野球部で4年間やり切れる人は何かしらの進路は見つけられるでしょう。

野球で飯が食えなくても、野球で培った体力、人脈を評価する企業があるだろうし、一生野球と何らかの形で付き合っていけるなら、それはそれでいいんじゃないか?と思います。

指定校推薦の問題は推薦を取ることを優先して、大学での目的がぶれ易く、卒業後の進路がイメージしづらくなる可能性があります。逆に目的がはっきりしているなら、大学にどうやって入るのかはあまり関係ないと思います。大学時代にしたいことをやりきって、卒業後に希望に進路に行ける様に努力するだけです。

仲さんみたいに帰国子女入試で京大に入って、京大でもミスコン企画で名を馳せて有名人になり、ゴールドマンでノウハウと搾取理系を見つけ、上場まで漕ぎ着け、本人が望んでいるチヤホヤされるキラキラ人生を歩んで本人が満足しているなら、何が問題なの?って話です。

Wantedly株にカモられる人、仲さんの思わせぶりな色仕掛けに参ってしまう搾取理系なんかはいずれにしたって、他の怪しい株にお金を奪われる、他の女性にしゃぶられるでしょう。仲さんとは関係ないと思いますねw 本人の眼力が足りないんです。

8+

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、指定校推薦” への 16 件のフィードバック

  1. 記事ありがとうございました。
    海外の話題もあり、面白かったです。

    私の大学にもいたのですが、帰国子女枠で小学校の算数も危ないとなるといくら文系といえども地雷になるわけですね。

    後は、学校の成績はいいのだけれど予備校の模試とかが悪い人には本人の希望した学科があれば紹介してましたね。

    0

  2. 私の高校の先生ですが、田舎の進学校から赴任してきた推薦なんかズルいからや馬鹿だから受けさせないみたいな記事でなくあくまで学歴は手段なんだという視点で書かれており良かったです。

    1+

    1. 受験、学歴をその人の価値だと考えるような学歴中毒者は少なくないですが、手段であって目的ではありません。目的は人生の満足度を上げることであるのは誰にとっても同じだと思いますね。

      シン

      0

  3. 記事からの想像ですが、ある会社の面接でやたら高校時代の話をされた覚えがあります。
    今思うと、国際教育(笑)のミッション系だったので上記にあるような帰国子女の地雷かどうかを確かめたのかもしれませんね。
    また、理系学部は文系に比べ100人ほどしかいないので珍しいのだと思います。

    日本の文系大学だとありえない学力や民度でも卒業できるためという理由で推薦を警戒して高校に注目してるなら少し納得できます。

    2+

    1. すべての帰国子女が地雷ではありませんし、良いところ取りのハイブリッドみたいな有能な人もいますが、日本の入試制度はあまりにも英語偏重型なので英語しか出来ない人が基礎学力に見合わないレベルの大学を卒業することもざらにあります。特に大学付属校出身者は地雷のにおいがして怖いのはあるかもしれません。日本の雇用システムだと使えないから解雇、と言うわけには行きませんから、試しにとってみよう、とはなりませんね。

      シン

      2+

  4.  私立大学が推薦入試を実施して学生を採っている理由は、

    ・偏差値を下げないため(偏差値操作)
    ・収益を確実に確保するため(推薦で合格した人は、一般入試では何処にも合格出来ないから、確実に入学する)

    上記の2点の理由があるのではないでしょうかね。
     私立文系に推薦でしか合格出来ないような人は、授業料のお布施要員でしかないのが実態なのではないでしょうかね。私立文系に推薦でしか合格出来ない人は、大学なんか行かずに何らかの専門性を身につけた方が合理的だと私は考えますね。
     一方、理系でマトモな専門性を身につけられる人は、その限りではないのですがね。ただ、推薦で理系の学部に合格した人は、入学後に気合を入れて勉強しないと単位を取れずに苦労しますね。
     あと、日本の私立大学は推薦比率が高過ぎるのも問題です。推薦入学者の割合が高過ぎると質が下がってしまいますからね。何処の私大に行っても、半数の人が推薦入学者で構成されているのは、流石に推薦が多過ぎます。

    3+

    1. 大学を企業で例えるなら、大学の時価総額を上げるには需給を弄るのが一番簡単なので市場流通量を絞り込んでしまうわけです。市場外取引=推薦枠を増やせば、自然と市場価格=偏差値は上がって、その価格を元に全体の時価総額が算出されます。

      もちろん、実際の価値を上げるために就職に役立つ実践的な講義を増やしたり、大学の名声を高める研究成果をあげられる教員、ポスドクを増やして行くのが正攻法ですが、これは難しいので簡単な方を選択します。

      偏差値なんてサンプルの取り方でまったく数字は変わってしまうのですが、数字が一人歩きして情弱から絶対価値のように見られることが多いのも株価と似ています。本質を見極めないとカモられるのも同じです。利益を取って売り抜けたらその後は無関係でいられる株と一生ついて回る大学で選んだ専門は全然違いますけどね。

      シン

      2+

  5. ん?
    何かが違う?
    進学校では、指定校推薦の基準が厳しいので
    一般受験よりワンランクツーランク下の学校しか推薦が取れない。
    よって、大概は一般受験するので、推薦枠は余る

    と言う話は気のせいだったか。。。

    2+

    1. んなことはないでしょう。一般入試よりランク落ちするなら、推薦を選ぶインセンティブがほとんどなくなります。

      東大京大国公立医学部しか興味のない子供がほとんど全国的進学校なら、私立大への推薦は鼻で笑って無視されるのはそうでしょうが、例外的な話だと思います。

      シン

      0

  6. 理系なら学科と就職が結び付いているので事情は違いますが、文系なら一般入試ですら~~大学ならどこでもいいとか入学のしやすさだけで決めている人が多いです。
    私の感覚ですが、文系は乱立状態で公立高校にも指定校をバンバンだしているので附属に入るメリットがなくなってる気がします。

    0

  7. 本稿では慶応と早稲田の指定校について記載されていますが、医学に興味があって地元に残りたいもしくは残ってもいいという場合に、地元国立大医学部の指定校推薦はかなり良いと思います。自分が高校生の頃は、通っていた高校が地元医学部の枠を毎年確か10人分ほど持っていました。地元医学部と学力レベルでは重なるものの指定校推薦を使わなかった現役生は、

    ・旧帝大のその他理系学部と東工大:毎年50人くらい合格
    ・推薦枠のない国公立私立医学部:毎年30人くらい合格
    ・国立文系で似たような大学:毎年30人くらい合格

    だったので、学年全体で大体2桁順位であれば指定校推薦が狙えるレベルでした。国立医学部が指定校にしている高校は全国に他にも結構あるのではと思います。推薦が取れなければ一般入試で入る算段で皆準備しているので、学力が低くて入学後ついていけないということもないです。

    指定校で入った同級生の多くは運動系の部活もきっちりやっていたので、真面目に勉強が続けられるならば地方公立で高校生活を謳歌しつつ地元で医学部というのもお勧めですね。実際のところとしては親が医者か歯医者という人がほとんどでした。

    2+

    1. 医者になりたい、歯医者になりたい、と言う目的があって、一般受験の準備もしつつ指定校推薦で医学部、歯学部に進学するなら、まったく何のデメリットもないですね。

      シン

      0

      1. 私の高校で周りで推薦を取ってないのでわからないのですが、地元の底辺私立医大の指定校推薦がありました。
        学費が高いので払えるかどうかはありますが、理系なら日大レベルの高校で成績表と適性検査と面接で入れるのでかなりお得だなと思いました。
        試験の中身がわからないのでなんとも言えないですが医学部入試で家庭崩壊するよりいいんじゃないか?や浪人しまくるよりいいんじゃね?とか失礼ですが裏口入学ってあるんじゃね?って思いました。
        地元では馬鹿な医大だと言われますが早慶理系くらいの学力は要求するので現役ならいいと思います。

        0

        1. 医者の子供以外は使えないような底辺私立医大の推薦枠ってありますね。まず、学費が払えないし多額の寄付金要求もあるでしょうから、一般家庭の子供は無理です。

          昔は本当に医者の子供でできの悪い子供しか取らなかったけど、今では無理して医者にしようとする人がいるので推薦枠が奪い合いになりつつあるとコメントがついたことがあります。

          他の職業が地盤沈下して、変わらない医者の待遇が相対的に上がったからでしょう。

          シン

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          1. シンさん
            やはり、昔から謎の私立医大の推薦ってあるんですね。
            私の大学の恩師は団塊の世代の時代は医学部は人気はあったけど地域のトップクラスは工学部や理学部を目指したもんだと言ってました。
            エンジニアも研究開発以外は派遣社員が多かったり、基礎研究の世界は能力があっても一生非常勤講師になる可能性があるので、他の仕事が地盤沈下したのだなと思いますね。

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  8. 「医学部入試で家庭崩壊するよりいいんじゃないか?」という考えもあるようですが、どこでもいいから、とりあえず医学部に入れてしまえば間違いないと大金をつぎ込んで私大医学部に入れたけれども、息子は遊びほうけて留年を繰り返し、国家試験に合格できずに家庭が崩壊するという話も聞きます。本人が医者になりたい、そしてもっと言えばどんな医者になりたいのかをしっかり考えられないと、やはり、どこかで躓いてしまうように思います。
    医学部に限らず、やはり行きたい大学、学部を決めるのは、親ではなく、本人であることを、親も子もしっかりと自分に言い聞かせることが大切だと思います。どんな自分になりたいのか、どんな仕事に就きたいか、そのためにはどういう進路があるのか、今の時代はネットなどを通じていろんな世界で働く人のいろんな考え方を知ることができるので、自分に必要な情報を早いうちに集め、機会があれば実際に現場で働いている大人の考えを聞くなど、自分の将来について積極的に動き、考えていくことが必要なのだと思います。
    記事で述べられている通り、受験生としてチャンスは多いほうがいいし、早く決まれば無駄な受験勉強をしなくて済むので、指定校でも公募制でも推薦入試を考えるのはよいことだと思いますが、あくまでも子どもが自分で決めること。一緒に考えていくことは大切かもしれませんが、親が先走って子どもの進路を決めてしまうと子どもは自分の人生をしっかり考えることができない人間になってしまうのだと思います。今の時代は、保護者向けの就職説明会もあります。いつまで親が子どもの人生に関わるのか考えさせられます。

    2+

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