投資の神、と称されるバフェット氏が敗北を認めた案件がIBMです。多くの場合、成功例より、失敗例のほうが勉強になるので、記事にします。
IBM
この会社ってバフェット氏がいかにも好きそうな歴史のある会社で、百年以上の歴史があり、アメリカを代表するようなブランドイメージを持っています。政府系ビジネス、インフラビジネスを多く持っていることから、日本だとNECにイメージが近いのだと思います。
International Business machines というのが正式名称で元々はハードを主力としていた会社なんです。特にパソコン、Think Padはビジネスユースとして大きなシェアを持っていた時代がありましたが、パソコン価格の異常低下に耐え切れず、中国、レノボに事業売却をしています。
それ以降はビジネスコンサルティング、つまりソフトを生業として、企業向けのITインフラ供給をするためのパッケージ契約を取ろうとしてきました。これなら半導体価格に大きく依存したり、低コスト国からの価格猛攻をしのぐことができる、と考えたわけで、先進国の会社としては正しい方向です。
IT
バフェット氏はおじいちゃんであり、ITのことは詳しくなく、それを自分でも理解しているので、出来るだけ距離を置いてきたそうです。彼の投資哲学の一つとして、よく知っていることに投資する、わからないことに投資しない、というものがあるので、IT関連銘柄は嫌っていたんですね。
それが21世紀に入ることにはアメリカの大型銘柄の多くがIT関連になっていき、今では勢いのある会社の代名詞であるFANGはすべてIT関連ですから、ITを無視してファンド組成ができなくなってきているのです。そのため、手始めに入ったのがアップル、そして、このIBMなんですよ。
アップルに関してはバフェット氏好みのブランドイメージをうまく維持して、長い好調を維持し、どんどん株価を上げていますが、IBMに関しては期待したように構造転換うまくいかず、ずっとリストラしている状態です。リストラして利益が上がればいいですが、パッとしません。
アップルはマクドナルドみたいな定番イメージを取り戻したので、バフェット流が上手く通じたんですが、IBMはすでに消費者ブランドではないので、定番イメージは少なく、Think Padに愛着を感じても、それはレノボブランドですから、IBMには直接関係ないです。
競合
IBMが行こうとしている分野はどこもレッドオーシャンで、巨人たちがひしめき合う厳しい分野なので、そこで勝ち抜くのは難しいです。特にクラウドを使ったプラットフォームプロバイダーなんて血を血で洗う競争です。マイクロソフト、オラクル、SAPなどIT企業のほかに、戦略コンサル、監査法人系コンサル、とごちゃ混ぜです。
コンサルの類はすべてIT絡みになっており、サプライチェーンマネジメントってITプラットフォーム構築のことですし、監査はITインフラの正常運用確認がメインになってきています。各社、やることはそれほど変わりなく、強力なソフトを持っているのか?という争いになり、IBMは強力なソフトがない、ということです。
強力ソフトが誕生しない限りはずっとこの前でしょうし、強力ソフトを作るための人材も奪い合いなので、新興IT企業よりもメリットをどうやってエンジニアに提示できるのか?という話ですね。私は何したら魅力なのかわかりません。
まとめ
そういうわけでバフェット氏も判断ミスを認めて損切りに近い売りをしているので、それに追随して他の投資家も出口を探ってくる為、バフェット氏が完全脱出をしてアクが抜けないとズドンと重しがかかった状態になります。
バフェット氏、バークシャーの影響力は絶大なので、バークシャーに見捨てられた銘柄という評価は辛いですね。バークシャー自身なアメリカ市場有数の時価総額を持つ巨人ですしね。
これは一時代の終わりであり、バフェット流が通じなくなってきています。そもそもバリュー株がなくなってきてますし、バークシャーが超巨大企業が沈んだ時に入る、というインデックス投資に近くなって、何を買うか?よりいつ買うか?が命題になってきてますね。
私もこのブログから投資に興味を持ちました。投資するかは別にして
バフェットさんの記事をネットで読んだのですが、よく投資のコツを聞いてくるのだが、みんなバブルのような異常なときに投資しちゃうのが良くないってあたり前ですが当たり前にできないからダメなんだとか言ってました。