じゃあ、行政と文系

日本の行政は文系支配だ、と言う人がいますけど、これはどの国でも同じです。シンガポールはテクノクラートが行政を仕切ってましたが、今はやはりビュロクラートが増えています。

政治家

世襲議員の多くは本人の資質と関係ないところで、政治家になっているので、文系、理系は関係ないですが、経歴を飾る為に文系を選ぶことが多くなります。入ること、出ること、どちらも文系の方が簡単なので、あえて理系を選ぶ意味はありません。

政治家の資質って、天性のものであり、誰かに教えてもらって出来るようになるものでもないので、大学で何を専攻したか?、なんて関係ないと思います。だったら、少しでも世間体のいい大学に入ればいいと思います。強いて挙げるなら、法律を学んで、弁護士になると良いでしょう。

有能な弁護士はルールに沿って、詭弁、拡大解釈などを繰り返して、自論をねじ込んで来るので、政治家に最も近い職だと言っていいでしょう。例えば、対等な条件で弁護士出身の橋下徹さんと論戦して、勝てると思えませんし、故リークワンユー氏も弁護士出身で凄まじい論客でした。

これ以上ないくらい理系エリートの鳩山由紀夫氏がルーピーと揶揄されるとんでも政治家でしたし、理系弁理士だった菅直人氏はイラ菅と呼ばれる感情的な政治家で、福島原発事故の被害を悪化させました。だから、理系政治家なら、いいと言うことはありません。

官僚

官僚は行政官なので、国の根幹であり法律、経済の専門家である必要があり、新しい政策を立案して、政治家に提出するとこが求められます。であるなら、技官も必要ではありますが、行政官が主体の組織となります。

シンガポールの官僚は選抜されて、留学するのですが、多くが経済を学ぶようです。リーシェンロン首相の息子もハーバード、MITで経済を学んで、帰国して、情報局で官僚をしています。経済の中でも、理論系数学を専攻して、グーグルでインターンシップをしていたそうです。

フランスの産業界はエコールポリテクニーク、という理系大学が牛耳っていますが、行政に関してはENAと言う官僚学校があり、一線を画しています。やはり、行政は文系専攻者のものであり、理系との相性が悪いのかもしれません。

技官

ほとんどの国で、技官は行政官のサポート役として存在しており、前面に出ることはあまりありません。例外として、軍人が力を持つ国だと、軍人は理系専攻をするのが一般的なので、テクノクラート的なキャリアを持っています。防衛大学も文系はマイナーな存在です。

シンガポールでも、リーシェンロン首相は軍出身で、情報学位を持っていますが、テクノクラートというわけでもありませんでした。ほとんど末端の仕事をすることはなく、あっという間に将軍まで登りつめて、親の跡を継ぐ為に政界入りをしています。

いくら法律、経済を学んでも、具体的に産業のことはわからないので、技官が行政官の助けをする、という立場であり、技官がその国で大きな力を持ち、前面に出てきた例はないのではないか?、と思います。軍人を技官と分類するなら、話は別ですけどね。

まとめ

日本の産業界が官僚システムに毒されて、文系が社内官僚として力を持っていた時代がありましたが、すでに廃れてきてますし、もっと廃れるでしょう。そんな国は韓国くらいしか日本の他にないからです。

しかし、行政は文系支配なのは世界中、どこでも同じで、日本だけのことではありません。政治、行政は法律からスタートして、経済を回すことを考えるものなので、実際の運用より、理論に傾くのは仕方ないのだと思います。

 

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ran
7 years ago

佐藤優さんは、同志社の神学修士と学歴も専攻も官僚としてはマイナーですが、優秀ですよね。
法律や経済の知識は必要ですが、別に専攻である必要はなく、理系でも構わないと思います。
しかし、文系の方が時間があるので、勉強時間がとりやすく有利なんだと思います。
今や東大法学部から官僚になるのは2割だけです。選べる立場の東大生にとって、官僚は魅力的でないんでしょう。

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