じゃあ、ライドシェア

日本ではライドシェアは試験的に始まっているだけですが、アメリカ発祥のこのサービスは大きなうねりを持って拡大しています。そのキーマンになっているのが、日本企業、ソフトバンクというのは面白いです。

アメリカ

Uberという企業が業界ナンバーワンであり、Lyftというライバルはあるものの、大きくリードしています。しかし、スタートアップの常として、赤字を垂れ流しているだけでなく、各国の特殊事情、規制との戦いになっており、期待は大きいものの着地点を見つけられなくなりつつあります。

更に、創業者、カラニック氏がセクハラ問題で揉めに揉めた挙句、解雇されており、紆余曲折の末、雇われ社長が選ばれて平穏を取り戻しつつあるところに、ソフトバンクが株を買い叩いて入ってきました。15%くらい買ったみたいなので、それなりに大きな存在です。

アメリカは車なしで生活できない地域も多く、なかなかタクシーも捕まらない、タクシーの質が悪いこともあり、事前登録制、支払い別、評価を付けられる、というのは魅力的なので大きく期待される産業です。その一方でアメリカ人が本当に車を手放すか?は疑問でもあります。

中国

ともかくやってみろ、という精神で突き通してしまう中国人は日本に先駆けてライドシェアが広がりを見せています。中国もタクシードライバーの質が低いことが多いですし、ライセンス料が高いため、都市部では自家用車を持っていない人も多いですから利便性が高いです。

一昔前の中国人が人民服着て自転車移動している、というイメージは日本人が着物にちょんまげしている、というくらい昔の話であり、日本よりも圧倒的にIT国家であり、何でもかんでもオンラインペイメントで済ませてしまいますし、スマフォ活用度もかなり高いです。

中国での大手は滴滴出行です。中国では当局との話がつけられないと、話は進まないので、Uberは事業を諦めて滴滴に売却しました。そして、その滴滴の株を持っているのが我らが天才、孫正義氏というわけで、アリババ、馬雲氏という盟友を持っているので、中国でもでかい顔をしていられます。

東南アジア

シンガポールに本社を置く、Grabという会社がこの地域のリーディングカンパニーです。創業者はマレーシア系華人の若者がハーバードMBAに通っているとき、Uberのビジネスモデルをパクッて東南アジアでやることを起業コンテストに持っていき、エンジェルラウンドに到達しました。

アンソニータン氏がその学生です。彼は実家がマレーシアの地元大手ディーラーで業界にコネがあったみたいで、タクシー会社と話をつけて細々とやっていたみたいですが、あまり広がりを見せず、シンガポールに舞台を移して勝負をかけます。その彼に目を付けたのが、またも、我らが天才、孫正義氏ですw

シンガポールは華人にとっては地元みたいなものなので、特に問題もなく、事業は拡大していき、Uberとしのぎを削りました。しかし、共倒れに近いくらいたたき合いになり、ありえないようなプロモーションが連発し、タダみたいな料金、クーポンをばらまいてきました。

そして、孫氏が登場し、UberはGrabに事業売却しろや、という指示によって和解することになります。孫氏がUberを買ったんだから、ソフトバンクファミリーになってますし、潰し合いをする意味は全くないです。

インド

インドのポテンシャルを孫氏が無視するわけもなく、Olaに対する投資により手をつけています。インドって車、携帯電話本体、携帯料金がぶっ壊れているくらい激安を求める市場なので、ライドシェアの市場もえげつない叩き合いになっています。

元グーグル、ソフトバンクに後継者として招聘されたアローラ氏がOlaをまとめたそうですが、この会社の旗色は悪いようで、間接的に責めを負わされた一面があるようで、このポジションを救い出すにはソフトバンク連合で一気に底上げするしかないんでしょう。

インドにおいても、孫氏人脈は凄まじく、同様に一代で帝国を作ったAirtel、ミッタル氏とは友達で、ちょっと前までソフトバンク取締役を務めていたくらいのもので、どこにでも話がつけられる人脈を持っているので、インドのアリババに当たるような存在を掘り当てるのかもしれませんね。

まとめ

このライドシェアは明らかに過熱しており、ライドシェア各社の時価総額はタクシー会社の総売り上げを超えています。つまり、単にタクシーの代替えとしてだけでライドシェアを考えるなら、明らかなバブルなんですが、これが自動車産業を食っていく、と考えるなら理解できます。

つまり、先に書いたテスラの挑戦の逆側であり、ソフトの面からハードを支配して市場を奪ってしまうのか、ハードの面からソフトを支配して市場を奪ってしまうのか?という話で、天才、孫氏は前者を選択し、全市場を支配下に置いてプラットフォームは手にしました。あとはプラットフォームがお金をしっかり生み出すのか?という話です。

孫氏は天才ですが、常勝将軍ではありません。手痛い負けもするんですが、トータルでは辻褄を合わせて膨れ上がっていくタイプです。彼の読みが当たり天才伝説は継続していくのか、外れてソフトバンク、ソフトバンクビジョンファンドは解体になり、稀代の詐欺師として酷評されるのでしょうか?

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ニコ
6 years ago

車って維持費高いから好きじゃないってのはわかります。
実家から会社に来てる人は家族でライドシェアしてますね。

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ルシ
6 years ago

孫さん個人を証券化したファンドに投資したいですねw
少なくもと、マスクさんよりは応援したいです。

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ルシ
6 years ago

そうですねw
そうなるとまだ上がる余地ありそうなのか、それともすでに株価に折込み済みなのか。難しいです。

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ルシ
6 years ago

シンさんはじめ玄人筋、市場ではあまり評価されてないのですね。私のような素人が手を出すと一瞬のうちに養分になりそうですねw

ウォッチリストに入れつつ、もう少し勉強してみます。

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ルシ
Reply to  シン
6 years ago

逆でしたかw
素人が気がついてないだけでしたか。ここで「買います!」と言うと、「自分の頭で何も考えないバカ」とこのブログでアホ分類BOXに入りそうです。

明日、財務比率と財務諸表やらとにらめっこしてみます。仕事中にw
ただ、勉強のために少し買ってみようと思いました。ありがとうございました!

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6 years ago

日本でもアメリカでも、仕事にあぶれた年配の人間でも稼げる最後の砦のひとつががタクシー業界だったと思いますが、ライドシェアというシステムは最後の砦を破壊してしまう勢いです。そのうえ、ライドシェアが進むと自動車が売れなくなるから、自動車工も職を失うのでは、と懸念します。

能力がそれほどなくても、がんばれば人並みの生活ができるという夢を、IT革命は次々に押し流していきますね。

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カツカレー
6 years ago

日本語に訳すとたかが相乗りですよね。しかし、将来は自動運転が絡んでくるでしょうし、取り組みしだいでは過密、過疎、更に高齢化対策の起爆剤となる期待もある一方で、日本のさらなる凋落の危機という恐れもあります。ぬるり市政としても取り組む価値があるテーマに思いました。

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カツカレー
Reply to  シン
6 years ago

主に国交省の管轄でしょうから、確かに既得権益の壁は分厚そうですね。例えばタクシー、代行運転なんていう業界は利用者は価格に満足していないでしょうし、一方従業者も高収入と言えないので、win-winと真逆ですね。いずれ淘汰が進むのは避けられないというのに。
私自身も考えが全く纏まっていませんが、例えば公共交通不便の地に済む高齢者の外出=通院、買い物等を全て相乗り化すればよいのにと思います。高齢者同士は若者をあてにしないで、相互で助け合ってよシステムです。これが発展すれば、通学困難で親に送迎負担が掛かっている学生(児童)とその親の助けになるのではと思います。現状では年寄りの運転する車は危険で迷惑なだけで同じ年寄りでも乘りたいとは思わないでしょうが、私が年寄りになる頃のハード、ソフトの進化に期待しています。

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dw
6 years ago

終電が無くなったあと、同じ方向に帰る人たちがタクシー乗り場に並んで1人ずつタクシーに乗っていました。無駄なトラブルや気遣いを避けるためでしょうが、日本人っぽいなぁと思いましたね。
自分は声かけて相乗りしましたけど、声かけられたほうも「おっ助かった!」という反応でしたw

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かりりん
6 years ago

Uber or Lift とタクシーのもう一つの大きな違いは、時間帯によって料金が変わるということでしょうね。

タクシーだと一律なんですが、ライドシェアの場合は違うんですよね。
後はオンラインで先に料金の見える化ができているのも良い事だと思います。

Google Map で目的地住所を入れるとUber だといくら、Lift だといくらと出てくるのも便利です。

ですが、このライドシェアもプラットフォームが2社にほぼ掌握されている状況なので、日本で普及してしまうと、またアメリカにマーケットを乗っ取られた感、半端ないでしょうね。

IT後進国になってしまっている現実を受け止め、それぞれのマーケットを乗っ取られない為には、IT化をどんどんやって遅れを取り戻すしかないでしょうね。でもたぶんこの流れは止められない気がしてます。

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チバ
6 years ago

ついにライドシェアでソフトバンクとトヨタ自動車の事業提携の報道が出ましたね。

現時点でソフトバンク株のP TSは上昇してますし、明日は地合いがイマイチな中でどれだけ株価が反応するか楽しみですね。

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