Kindleで自伝を書く人が増えて Unlimited で追加料金なしで読めます。面白いものと、数ページで止める作品があり、何が違うのかな?と思い、まとめてみました。
描写
詳細な描写が多い自伝はまともに読めないことが多いです。文章のプロでもなければ、凝った文章を他人に読ませるのが難しく、美文から遠い、単に煩い文章になりがちです。いろいろ書いてあるが、何が表現したいのかわからないが、やたら長い文章になります。
これはなんでもそうだな、と思います。素人がやるのならできるだけシンプルにすべきで、凝ったことをすべきではないです。料理なんかも素人が凝ったことをするより、シンプルに素材を生かす方が美味しいのと同じでしょう。
才能がないのに、何かを描きたい、伝えたいならなら出来るだけシンプルにすること。畏まって変に美文を書こうとすると、逆に読みづらくて誰にも読んでもらえない自己満足文になのだな、と他人の自伝を読んで、理解できましたね。
創作
特定の事項に対して、どう思ったのか?は自伝だとリアリティがある為、面白いことが多いです。嘘をついていない限り、矛盾、設定ミスがないので、読んでいて気持ちの良い文章になります。
自伝という名の創作だと、所々が辻褄の合わないストーリーになるので、気になって集中できなくなります。Kindle Unlimited ではこの手の偽自伝も割とよく見ます。私は、気付いた瞬間に読むのをやめます。創作もプロでないとできないのでしょう。
嘘は簡単に他の人も気がつくようで、私が何か変だな、と思って書評に行くと、自伝風創作、と指摘されています。自分が思うほど、他人は鈍感ではないので、安易な嘘は突き通せないんですね。
後付けもイライラするような話になりやすいです。その時はわからなかったはずなのに、後から書いている為、その時点ですら気付いていることになっているので、いい子ちゃんになってしまうわけです。
戦争体験者なんかが、この傾向があります。凡人は恐らく時勢に流されて生きていたはずなのに、戦争反対、無意味さを強く信じていた設定になっていると冷めますね。どれだけ冷静な子供だよ?、と言いたくなります。
恥辱
私小説家、として飯を食っている人、との圧倒的な違いは恥辱を描けるか?、でしょう。素人と自伝、体験記は自分の恥辱は書かないもので、他人の恥辱は書いてしまうものです。すると、真に迫ることはなくなります。
とは言え、単に恥辱を書いても面白くないので、一定の客観性、反省、開き直り、など、ある程度の時間を経て熟成されないと、私小説は書けない、というのは理解出来ますね。
この辺が良くあるつまらない自分語りなのか、自分の中にある卑小、卑怯、恥に塗れた部分を明らかにした心を抉るような作品はなかなかない訳です。誰もが完全に綺麗ではありませんからね。
まとめ
そのうち自伝を書きたいので、他人の自伝を読んで研究しています。少なくとも自分の恥を抉り出すような真剣さがないと、他人の心に突き刺すことはないな、と思っています。なかなか難しいですけどね。
誰しも1つは面白い物語を書ける、といいますよね。私も自伝に興味はありますが、わざわざ自分の恥を晒すことはできないため一生胸の中に秘めておくことでしょうw
なかなか恥を晒せないから私小説は素材はあるが、書くのが難しいのでしょうね。
シン