戦略の基本に兵站の確保、というものがあります。これが確保できないと、どんなに強兵であっても戦えなくなってしまいます。第二次世界大戦の日本兵がいかに我慢強く行軍を続け、獰猛に敵と戦うといっても、物資なしには戦えません。そして、現代の日本人も軽視しているように思えます。
人
人を雇うことはリスクですけど、どんなことも人がいないと始まりません。あり増えた言い方ですけど、1+1=3になり得る、と言いますけど、それは本当だと思います。一人で悶々としていると、何のアイディアも湧かないけど、それを他人と共有することで前に進めることがあります。
こんな弱小ブログでも飽きてきたときに支えになり、アイディアをくれたのは読者さん達ですし、私が趣味、挑戦として毎日記事を上げる、という目標に取り組んでいるだけなら、今月、挫折していた可能性が高いです。実際、ストック記事がゼロになっています。
だから、人を確保するのはすごく大事です。ラーメン屋をやるにも頼れるバイトリーダーがいないとお客さんをさばけなかったりしますし、財布をしっかり握る女将さんがいなきゃ、まともに採算が合わなかったりします。上手く収益が出るっていうのはいい人たちに囲まれているからでしょう。
頭数はいくらでも揃えられますけど、その質が下がると、内容が伴わなくなります。兵站が伸びた状態になると、明らかに経験不足、年を食いすぎて不向きな中高年を前線に送らなければならなくなりかねないので、そうなったら最初から士気が落ちているので戦えません。
金
どんな活動もお金が回らないと失速します。起業の始まりは資金集めからですし、選挙に出るにも、事業拡大するにも、ボランティア活動ですら同じです。何かしらの形でお金を集めて、それを回すことで膨らませていかないと、前進することはできません。
新しいことをして採算がすぐ合うことはほとんどありません。最初はリスクを取って赤字を垂れ流すことになりますし、それをどこまで耐えられるのかですし、進んでいる方向性が間違っていないのか、という不安との闘いをしながら、突き進むしかありません。
まず、お客さんを見つけてから投資する、と言うのは理想論であり、見つけるために投資をするしかありません。上手いラーメンを採算があるレベルで提供できる、ということを証明するために相当投資をしなければならず、その投資の成果をもって出資を募ったり、融資を受けたりするしかないんですね。だから、最初の種銭がないなら、本当に何もできません。
教育だってそうであり、需要のありそうなことを勉強することを決め、お金を使って学位を取り、知識と経験を積むことで、お金を出してくれる就職先を見つけてくるわけで、就職先がお金を出して学位を取らせてくれるフルスカラーシップなんてめったに取れません。よほど図抜けたしか取れません。
物
どんなに人気があるものでも、現物がなければ意味ないわけです。純製造業なら自分たちのリスクで設備を入れて、物を作ればいいですけど、ファブレスだとサプライチェーンマネジメントが重要になります。きちんと下請けをQCDの観点で管理しきれないと、グダグダになります。
アップルの凄いところはあれだけの物量、当たり外れの激しい携帯電話、という製品をファブレスで管理していることで、それが上手くいったから、サプライチェーンマネジメントを専門にするクック氏がジョブズ氏の後継者になったといえるでしょう。(ジョブズ氏は嫉妬深いので、アイブ氏を選んで自分の名声を損なうのを恐れたのもあるでしょうけど。)
物量をきちんと用意することはすごく大事なんですが、日本人は精神主義でおろそかにすることが多く、ブラック企業がこれほど蔓延るのは日本人がサプライチェーンマネジメントという考え方をしないからでしょうね。上から恫喝するようにねじ込めば間に合う、と考えている節があります。
まとめ
イケイケで行くのはいいですけど、兵站が確保できないまま突き進むと、一定の時点で人、金、物が行き渡らなくなり、敵の反撃を食らう、というパターンになります。逆に行くと、強敵に勝ちたければ、あえて負けて敵の戦線を拡大させる、というのも戦略なんですよね。その上で強い部分で一点突破して崩せばいいです。
戦争しなくても、起業しなくても、一般人の生活レベルでも同じで、人、金、物が行き渡らなくなるほど、あれこれと手を出すべきではないし、身の丈に合わないこのをやろうとすべきではないです。まずは兵站を十分に確保して、確保出来たら、一気に攻め上がればいいです。
身の丈に合ってることをやるべきという考え方にはとても共感できます。
日本の労働環境で非正規雇用が増えてますがあまりにも正社員を採用しないで非正規にするとまともな人が集まりにくくなって仕事が回らなくなりますね。
なんというか特に男性に多いのですが、仕事をしてなくてフラフラしてる人にまともな人がいないですね。
同一労働同一賃金にする他ないんだと思います。非正規雇用で同じことして正社員以下の待遇なら、出来るだけ手を抜こうとするのは当たり前です。
シン
男性は働いていないとおかしくなる人が多いです。精神的安定が保てなくなるのでしょう。
同様に結婚していない女性も性格がキツくなるなど、どこかおかしくなります。
独身男性や専業主婦の場合、まともな人は多いですけど。
確かにそうですね。男性は社会で何かしらの役割を果たすこと、女性は産み育てることを義務と考えている節があります。本能なんでしょうね。
シン
山本五十六については、名将と言われてますがどうなんですかね?兵站が
伸びて、補給が困難になる事は事前に分かっていたと思うのですが。
また、ラバウルへの巡察も大将自ら行く必要があったのですかね、まるで
無駄死にのように思えます。親分不在では、その後帝国海軍が統御不能になり
なんか無責任のような感じがします。2019年に横浜から沖縄・硫黄島・
サイパン・ラバウル・ガダルカナル・シドニーと回るクルーズがあるので乗船
して、実際の距離感覚を掴めればと思います。
山本五十六は開戦に反対していたそうなので、ある種の自殺行為を無意識にしていたのかもしれませんね。当時の日本の国力であれほどの戦線拡大は無謀であることはわかっていただろうと思います。にしても、善戦する為にもう少しやれることがあった気がします。
クルーズですか?良いですねぇ。飛行機だと距離感が掴めず、旅情がたっぷりと味わえているとは言いづらいですからね。
シン
日本というか、海に囲まれた島国というのは防衛には非常に恵まれてますが自分から攻めるとなると輸送手段に苦労するので戦線を拡大すればするほど自滅しますね。
補給路を繋ぐ、という意味で、帝国主義時代は朝鮮、台湾の植民地化は不可欠であり、特に豊かな満州へ繋ぐ為の朝鮮統治は欧米に対抗する為にはせざるを得なかったと言えます。同盟国として共闘できれば、それに越したことはないですし、実際、その当時の日本政府はその可能性を探ってますが、朝鮮のグダグダぶりに同盟を諦めて植民地化してます。
その点、同じ島国のイギリスの補給路の繋ぎ方は見事ですね。
シン
でも、向こう10年で、人・物・金の価値は大きく変わる気配がありますね。新しくAIや仮想通貨が流行っていますが、現時点で潤沢な資産を持ち、上手にやりくりしている組織も、新テクノロジーに覆される危機感に包まれていると思います。なかなか、勝てる道が見えませんし、日々真剣に過ごさないと簡単にやられてしまうなぁと思ったりします。
極めて大きな変化をする時代ですね。でも、基本的なことは変わらないように思います。大きく変わる時代だからこそ、基本に立ち返るべきで、仮想通貨が爆上げしているから今から入る、とかは完全に基本を逆行してますね。
シン
確かに、浮わついた流行りものの寿命は短く、基本はきっちりした上で新規性を持たせないとすぐにコケますね。ただ、それが難しいんですよね。常に競争に晒され、なかなか、ぬるりと生きられないです。
そうなんです。芯の部分は超王道で、新規性を持たす何かを探るのが難しいし、出来るなら勝てるんですよね。私も含めてみんな、試行錯誤です。
シン