アメリカ市場が史上最高値更新を続け、盛り上がりを見せる中、日本市場は低迷を続け、数字的にはそれなりに成果を出しても積極的に買われません。アメリカだけがガンガン行っているわけでもなく、他の市場も多かれ少なかれ盛り上がっています。一言で言えば、日本は「将来性がない」とみなされているわけで、株とは現在の価値でなく、将来の価値で値段がつきます。
人口
人口多いのは七難隠す、と言うことで、日本は人口が微減している上、高齢社会に突入しています。そして、その閉鎖性もあり移民がほとんど来ておらず、経済規模が全然大きくならないので、将来を悲観しているわけです。
少子化は先進国病みたいなもので、ほぼすべての先進国で罹患しています。日本はまだマシな方で、シンガポール、台湾なんかは日本の比でないくらい少子化ですし、未婚率も極めて高いです。
先進国で少子化が表面上解決しているところは多産文化を持つ移民の大量流入によりそう見えるだけで、元々いた住民が積極的に子供を持とうとしているわけではありません。アメリカはラテン系、フランスはアラブ系がの多産が全体の数字に貢献しています。
だからと言って、日本が移民を積極的に受け入れるべきかと言うと、ここまで移民受け入れによって不調和を引き起こし、社会不安になっているので、ガツンと人口が増えるほど積極的に受け入れるべきではなく、選択的に有能な人だけに来てもらってもそこまで人口は増えません。
日本の場合、女性がほとんど労働力になっていないので、まずはここから手をつけるべきで、残業を出来る限り制限し、有給消化、産休優遇など、女性が働きやすい労働環境にすることで、男性も働きやすくする、という循環にして社会全体が優しくならないと、どうもならないでしょうね。
産業
日本の産業って付加価値が低い、低くなってしまったものが多く、中国、台湾、韓国に追いまくられています。弱電なんかは典型ですが、産業機械、精密機械といったものすら、すでに日本はトップとはいえなくなり、熾烈な価格競争に巻き込まれています。
IT大国のアメリカは別にして、ドイツは化学、医療、特殊設備、フランスはファッション、観光、航空機器など、イギリスは金融、サービスに特化して出来るだけ付加価値の高いものだけに資源を集中投下しているんですが、日本は国内勢でしのぎを削っている状態で共食いに近いです。
日本に底力があるのは誰もが認めるところなんでしょうが、いったん整理をしないと手がつけられないことになっているのが現状です。具体的に言えば、IT化を極端に嫌がる習慣、明らかに無駄に複雑な組織、同じ分野に多すぎる会社など、根本的に変えないと復活はしないでしょう。
でも、日本はどうしようもなくなるまで放置して、そこからしか立ち上がれない国なので、「なんで、効率化しないの?」と外国人に聞かれても、「そういう人たちだから。」としか答えられず、もどかしい思いがします。
息吹
株価と言うのは将来性に対する期待値なので、こんなことで成長するんだな、というイメージが出来て、その息吹が感じられないと投資家は買いません。だから、アマゾンが超割高で駆け抜けてきましたし、テスラは赤字を垂れ流しながらも株価が上がります。今の数字だけでは説明がつかない水準まで買われます。
日本企業でその息吹を感じられる会社ってほとんどないんです。単に製造業というカテゴリーではモノが余った時代には成長できません。何かしらの付加価値を与えないとダメだし、そこに合理性があるなら製造そのものは外注したっていいです。
私が紹介したことがある任天堂、スノーピークはファブレスです。自社製造しなくても、すでに設備のある会社にやらせたほうがメリットが多いです。日本メーカーはアップル、ARMになるために製造は特殊なものに限定すべきです。そうでないと、新興国に価格で負けてしまいます。
ITはアメリカ市場で浮上してきたビジネスを日本に持ってくるような猿真似をしても意味ないですよ。日本市場が小さくなるんだから、新しいコンセプトでアメリカに殴りこめるようなスタイルを確立してもらいたいです。そうでないなら、アメリカの本家を買います。パチモンなんて買いたくないです。
今まではアメリカのパチモノを持ってきても通用していたんですが、日本人がアングロサクソン流に慣れつつあって、さほどの違和感なくアングロサクソンのプラットフォームを使い始めていますので、単に日本風にするだけではビジネスとして苦しくなるでしょう。
まとめ
読者の皆さんに聞きたいんですが、ニッチ銘柄ならともかく、指数に採用されるような王道銘柄を日本市場で買いたいですか?って話なんです。人口が減るのにドコモ株買っていいんですか?って話になるし、ドコモは投資がメチャクチャ下手なので海外勢に食い物にされています。そんな株が上がるんですか?って思います。
だったら、私はSingtelの方が欲しいんですよ。官製ファンド、Tamasek、ホーチン、ファーストレディーが率いるんだから、明らかに国策企業で政府主導でガンガン海外投資を決めてきてきちんと成果を出しています。子会社のオーストラリア、Optusなんて完全に主力になりましたしね。
日本の大企業で海外の会社を買収して、その会社の主力に成長させたことって、あるんですか?WHを初めとしてカモられたことは多々あるのは知っていますけど、ぱっと思い浮かばないんです。だから、市場がこれ以上広がらないことがほぼ確定した国は投資をしていかなければ成らないんですが、日本人は下手すぎるんですよね。孫、永守両氏くらいしか得意な人が思い浮かびません。
そして、大企業で市場を独占できるような強さのある日本企業ってどこがありますか?トヨタ自動車くらいでしょう?そのトヨタですら、EV時代に追随して、そこでも勝ち抜けるかわかりません。投資は笑っちゃうくらい下手、多くの製造は新興国にやられ、IT、金融はアングロサクソン猿真似、劣化コピー、化学、航空は欧米勢に規模で敵わない、と来たら何を買えばいいんでしょうか?
日本企業は投資が下手くそだという記事はよく見るのですが、「どうしてヘタなのか?」「投資がうまくなるにはどういう要素が必要なのか?」という問いに答えを出せてるものは見たことがありません。
大量のキャッシュを使って買収をして技術ノウハウを吸収して稼いでまた投資をして生き残るのが日本の生きる道だと思いますが、投資がヘタクソなのは契約でカモられるからなのでしょうか?
日本人は植民地経営に慣れてないんですよ。韓国台湾は持ち出しの方が多かったように、日本企業の海外買収は持ち出しの方が多いことがほとんどです。
https://nururi.com/nagamori-investment/
こういう記事を書いたことがあります。
シン
>日本の大企業で海外の会社を買収して、その会社の主力に成長させたことって、あるんですか?
リクルートグループの海外の会社の買収はどう思われますか?
人材派遣事業はすでに国内より買収した海外の会社の売上の方が多かったと思います。
自前で現地法人をしている人材紹介事業は苦戦してそうですが。。
リクルートホールディングスの連結売上で10%越えるのは国内子会社二社だけで、海外子会社はたくさんありますが、主力は一つもないけど、200億円を越える債務超過会社もあるので、白人に食い物にされてる典型的日本企業ですね。
シン
そもそも欧米がアジア系に好条件で買収案件が無いと思った方が良いのでしょう。東芝の案件等は明らかな詐欺に感じます。
東芝のWH買収も福島事故がなければ話は違っていたので詐欺とまでは言えませんが、アジア系からボッタくるというのは白人の常套手段です。
今、中国がバブル期の日本みたいに白人のモノを買い漁ってますが、運用するノウハウがないので不良債権化は時間の問題でしょうね。
思想の違う人間が作ったものを上手く利用してもっと利益を上げるって、積み重ねたノウハウがいるんですよ。特に白人はアジア人の言うことをなかなか聞かないので聞かせるノウハウもいります。
シン
アメリカ大企業の経営者って、利益を上げるのに貪欲で、まさにネコ科肉食動物という感じがします。
また、今後の成長見込みに関しては大ボラを吹くことも多く、日本人が真似するのは難しいでしょう。
アメリカの大企業は海外から利益を吸い上げるだけでは飽き足らず、今は国内の中流層からも利益を吸い取るようになり、格差が凄いことになっています。
シンさんはアメリカ国内の格差については関心ないですか?
肉食動物のアメリカ人とガチンコ勝負して勝てる草食動物の日本人は滅多にいないと思います。
>シンさんはアメリカ国内の格差については関心ないですか?
割と書いていると思いますよ。先進国でこれだけのエネルギーを持つ国である以上、海外勢を食い物にするだけでなく国内も弱肉強食ですね。
シン
日本人はイヌ科肉食獣でしょう。社畜気質といい、まさに犬です。
戦前の漫画「のらくろ」では日本軍が犬として描かれており、そのとおりだと思いました。
調査によると、サイコパスの比率は白人の方が日本人よりずっと多いみたいです。アメリカの経営者のほとんどがサイコパスなのではないでしょうか。目標達成のためには手段を選ばないので、あそこまで利益が伸ばせるのだと思います。
でらさん
昔、本で読んだのですがアメリカの白人の祖先はヨーロッパからの移民で当時は、航海は命懸けであり地球が平らであるというのが常識でした。
なのでわざわざアメリカ大陸まで渡るような人はサイコパス気質が強い遺伝子らしいです。
また、黒人は祖先が奴隷船で生き残った人なのでアフリカ人よりフィジカルが強いそうです。
さらに、格差があるのはフィジカルだけが強い人、チャレンジ精神のある優秀な人の祖先ということになるので格差があるということなのでは?という仮説が記載されてました。
確かに日本人は犬っぽいですね。でも、ドーベルマンみたいな獰猛な犬ではなく、柴犬みたいな半分愛玩犬のイメージです。主人には忠実だが、知らない人と距離を置き、盲導犬になるほど図抜けて賢いわけではなく、真面目なところは日本人的です。肉食というか、雑食なのだと思います。
シン
柴犬、ドーベルマン、盲導犬含めて日本人は犬的です。
ドーベルマンは警察犬になるくらいなので、極めて忠実なところは日本人そっくりです。
また、日本人の平均IQは世界トップクラスらしいので、賢さでも盲導犬的と言えます。OECD24カ国の成人のスキルを調査したところ、トップに立ったのは日本です。
ただ、日本人の知能・スキルは平均でトップクラスでも、とびぬけた天才・サイコパスが少なく、政治力でどうしても劣るので、一部の白人が世界を支配しているわけです。
ドーベルマンは日本人的な見た目ではない気がしますが、組織、ルールに忠実なのは日本人的かもしれません。
シン
研究によれば、リスクに積極的で冒険好きな人はある特定の遺伝子を持っていることが多いらしいのですが、アメリカ人はその特定遺伝子の保有比率が他国民に比べて有意に高いらしいです。米国人サンプルの2割が保有していたのに対し、日本人は2%だったと記憶しています。
ニコさんが指摘している様に、国の成り立ちからして多大なリスクにをとって一か八かで移民して来た人達の子孫なので、理にかなっていると思います。
シンさんが過去の記事でアメリカは豊かなサバンナだと表現したのを記憶していますが、まさにその通りに感じます。弱肉強食で熾烈な競争が繰り広げられ、強い者が美しく、勝者が正義とみなされる世界です。
競争が激しすぎて勝者も敗者も消耗している人が多く、幸福な社会かという意味では疑問です。勝つために、生き残るために、あらゆるドーピングが蔓延し、それが現在の処方箋薬の汚染蔓延問題として吹き出しています。
高校生がゾロフト(抗うつ薬)を服用し、大学では徹夜で勉強するためにアデラル(集中力を増大させる覚せい剤)に依存し、社会にでれば仕事のストレスや身体の痛みでオオキシコチン(トヨタアメリカの重役も中毒だった痛み止め)中毒になる。
競争社会にで生きるのも大変です。