個別株で勝つのは至難の技なんですけど、いくつかパターンがあり、そのどれかが出来れば良いです。
割安株
かつて、バフェット氏、リンチ氏が推奨していた将来性がある会社を早いステージで買って、じっくりと待っている、というスタイルですが、現在では成り立たなくなってきています。ITによって、割安株が見つけられなくなったからです。
アルゴリズムによって、目に見える財務状況は自動的に判別してシグナルを出せるので、良い会社なのに放置されている割安株など、存在しなくなってしまったわけです。上場企業の有報を順番に読め、というような根性論はまったく通用しません。
それはバフェット氏も認めていて、人がアッというような、割安優良株はもはやありません。バフェット氏の中国投資くらいが最後のチャンスだったのだと、思います。ペトロチャイナとか、BYDみたいなチャンスはないとは言いませんが、ほぼゼロだと思います。それでも、誰も知らない割安株を見つけられるなら、勝てると思います。
タイミング
割安株がないなら、優良企業株を良いタイミングで買うしかなく、バフェット氏はこちらにシフトしてきています。経済危機、景気後退、ヒット商品の行き詰まりで市場価格が下がっているときに手を出すわけです。
リーマンショック時の金融株を持てる者の強みで有利な条件で引き受けるとか、アップルが停滞した頃を見計らって買いに走る、とか、誰でも知っている株を誰も買わない時に買うわけです。優先株の引き受けはともかく、優良企業株をタイミングを見て買うことは誰でもできます。
だったら、インデックスで良いんですよ。これはバフェット氏も言っており、特殊な条件で買えない人はインデックスを買う以上にパフォーマンスを上げる方法はない、と言っても良いでしょう。私の推奨も個別株ではなく、インデックスなのはこの為です。
博打
今のご時世、優良企業株を格安で買いたいなら未公開株しかありません。そして、その9割以上は失敗します。それでも、一つ当てれば、その失敗は取り戻せます。小さく負けて大きく勝つ、という基本中の基本を極めて正しく実践しているのが孫正義氏です。
ソフトバンクグループの勝ちはほとんどアリババから来ています。他にもヤフージャパン、ソフトバンク株式会社、ガンホー、スーパーセル、などの勝ちもありますが、アリババと比べれば、ないに等しいです。
これを買えるのは巨大資本が必要で、孫正義氏自身が未公開株市場をぶっ壊してしまっているので、プロである未公開株を専門とする投資会社が不平不満を言うくらい寡占的になっています。
これによって、大化けの期待があるスタートアップはIPOを出来るだけ遅くしてくるので、一般投資家が買える頃にはすでに割高であり、さっさとIPOしてくる会社は上場ゴールの様式美が一般的になっています。今のご時世、将来性があるなら楽に資金繰りは出来るんだから無理にIPOに行くのは自信がないからでしょうよ。
投機
後は反射神経、読みを必要とする短期の投機になります。慧眼は必要ないが、プロゲーマーみたいな能力が必要です。穴を見つけて、そこをつき、徹底的に攻めて、さっと引き揚げる判断力が必要です。ソロス氏がこのタイプですし、もっと短いパターンならBNF氏ということになります。
これもアルゴリズムの普及によって、超短期は無理になり、当のBNF氏も長めのホールドに切り替えているようですし、精度も落ちているようです。前に取り上げたクックパッドも大負け撤退のようですしね。
シグナルが出た瞬間にプロ、アマがこぞって参戦するので、出し抜くのが極めて困難になり、かなり早め、少なくとも数ヶ月前に仕込んでないと、遅いので、デイトレ、スイングトレはほぼ無理です。
まとめ
私がインデックス投資を勧める理由をご理解頂けましたでしょうか?もはや、天性の才能がない人はインデックスをモメンタム投資で買うのが無難であり、個別株で労力をかけても、インデックスのパフォーマンスを上回ることはできない。上回っても、かけた労力を上回ることはまず出来ません。
私は個別株を持っていますが、あくまで趣味であり、メインはインデックスです。せいぜい国策企業までしか手を出しません。手間の分だけ、到底勝てる気がしないからです。散々手間をかけた個別株のパフォーマンスがインデックスを少し上回るだけだと、理解した時は虚しさしか残りませんでしたw
対インデックスとすると、インデックスの倍以上のリターンを目指せる個別銘柄でないと、手間・リスクの大きさから割に合わないと思っています。
しかし、短期間で達成できたとしても、それを長期間達成し続けるのは至難の業です。
インデックスはその市場の全参加者の平均点なわけですが、
よく例えられるのは、テニスのラリーで、強烈なスマッシュを打って勝とうとするのが個別銘柄で、どんなボールが来ても平凡なリターンをミスすることなく返すのがインデックスになります。
どんなに強烈なスマッシュを打つ選手もいずれはミスをし、確実にリターンを返す選手に負けてしまいます。
インデックスが如何に強敵か理解頂けると思います。
ミスなくリターンだけ返すだけの試合なんて、つまらないですけどねw
しかし、多くの人にとって、資産運用は趣味でも仕事でもないわけですから、インデックスを長期保有で十分だと思います。
>対インデックスとすると、インデックスの倍以上のリターンを目指せる個別銘柄でないと、手間・リスクの大きさから割に合わないと思っています。
自営業と同じで、サラリーマンの倍、理想は3倍の収入がないと、取っているリスクと労力に見合わない、ということだと思います。
シン
個別株で大きく勝つには、やはり暴落時を狙うしかないと思います。
暴落時でも底は分からず、どの時点で買えばいいのかは分からないので、少しづつ買っていくしかないと思います。下がったら買うのナンピン買い下がりですね。
はじめからナンピンをすると分かった上で計画的にナンピンするのと、失敗したと思ってナンピンするのとでは違います。
比較的、大底がわかりやすかったのは、アベノミクスの時で、このときは民主党政権で株価が下がるだけ下がり、株価は、底値で横ばいでずっと低迷していました。で総選挙で自民党が勝利しアベノミクスが発動したわけです。このときも徐々に上がり始めたと思います。
こういうきっかけをみていると、大底が絶対に分からないと言うこともなさそうです。
でも、やっぱり個別株投資は勝負であり、趣味でやるモノだと思います。
インデックス投資は、長期にわたりやっていくもので、始めるきっかけとしては、やはり暴落時に仕込み、後は継続的に買い増し暴落時は特に多く買い増しすることだと思います。これができると自分の子供のためにインデックス投資をし、徐々に増やしていくと、その子が40歳になる頃には、十分なさ資産が形成されていると思います。
投資に必要なのは、時間と継続なんでしょうね。
後は、暴落時に狼狽することなく買い増しする勇気でしょうか。
私もメンタルの強さが欲しいです。
>個別株で大きく勝つには、やはり暴落時を狙うしかないと思います。
市場全体が暴落しているなら、個別株だけでなく、インデックスでも買い時でありえます。その個別株が市場に引きずられる形で暴落しただけで、時間の問題で戻ると確信できるならインデックスよりも勝ちは大きいでしょうが、暴落に耐えられず淘汰されるなら電子クズになります。リーマンショックは短期で反発しており実感が薄いですが、景気後退が長引くと、偽物は駆逐されます。インデックスなら偽物が混じっていてもえぐい被害にはなりません。
個別株の不祥事暴落に手を出すとボロ勝ちも可能ですが、大火傷の可能性が高いです。不祥事個別株と同じ業界の連れ下がりに手を出して勝ち上がってきたのがBNF氏ですが、同じことをする人間が増えすぎて、もう使えない手法です。
何かしらの確信がないと個別株は手を出さない方が無難、ということですね。
シン
>>何かしらの確信がないと個別株は手を出さない方が無難、ということですね。
考え抜いて買った個別株が良い結果が出ず、長い間我慢することは普通にありました。
これならばインデックスを買い、そのまま放置しておいた方が絶対に良いと思いました。
シンさんの言われるとおり、本流の投資はインデックスとし個別株は趣味でやるのが正解だと思います。
リーマンショックのとき、ここが仕込み時だと思いましたが、まだ投資初心者だった私は躊躇してしまい、結局少額しか買うことができませんでしたね。
購入した後も損するかもしれない恐怖で生きた心地がしませんでした。
失ったとしても、人生にさほど影響を及ぼさない程度の金額だったにも関わらずです。
損失を出す可能性もあると情報として知っていても、実際に買って初めて損を受け入れならないことに気づいたわけです。
それからは恐怖との戦いで、少しずつメンタルを鍛え、購入額を増やしていきました。
投資初心者は、まずは少額から始め自分のメンタルがどの程度なのか見極めるのが良いと思います。
強いメンタルの持ち主でなければ、暴落からいきなり始めることは難しいと思います。
何事にも準備が必要です。
それが器ですね。持って生まれた器がバカでかい人もいますが、凡人は小さいです。徐々に大きくしていく他にありません。他の才能と同じように伸びる人、全く伸びない人がいます。数万円の含み損に気を病んでいた人が数千万円の含み損に悠々としてられるようになることもあります。億単位の含み損に耐えられるには持って生まれた才能が必要だと思います。そして、麻痺とは違って、きちんと受け止められる必要があります。
ゴーン容疑者は想定元本、数千億円規模のデリバティブに手を出したことが破滅の始まりらしいですが、リスク管理が麻痺していたのでしょう。
シン
> ゴーン容疑者は想定元本、数千億円規模のデリバティブに手を出したことが破滅の始まりらしいですが、リスク管理が麻痺していたのでしょう。
レバレッジ掛けたデリバティブ取引で、相場の想定外の変動で巨額損失を出し、追証食らったというやつですね。
欲に目がくらみ、無謀な賭けになったのでしょうね。
追証への対応方法は通常であれば、
1.金策して不足分の証拠金を埋める
2.清算して損失を確定する
ですが、ゴーン氏の場合は、
3.日産に名義を付け替える
という荒業を選択してしまい、容疑に繋がっています。
苦しいですが1.2.でリスク管理の甘さを認め、損を確定させるべきと思いますが、
3.で時間を稼いで損を回避したいと考えたのでしょう。
損を確定させるのは誰しも苦しいことですが、巨額な損となると地獄の苦しみなのでしょう。
損を認めるというのもまた器なのかなと思います。
ゴーン氏のケースは一般的なFXよりもかなり複雑みたいです。全貌が明らかになるのか、有耶無耶になっていくのかわかりませんが、かなりの人間が関与しており、中には国の中枢にいる人間もいるようです。
サラリーマンのゴーン氏はルノー日産を自分の所有物とみなすようになり、オーナー社長と比べると貧しいことに不満を持ち、大掛かりな資産運用を望むようになります。そして、会計士、銀行員がゴーン氏の権力、資産に群がって専門家でもないと理解できないような複雑なスキームで運用をします。
そもそも新生銀行が行なっていたデリバティブは融資によって元本を用意していたようです。つまり、ゴーン氏のルノー日産における立場を信用にして借りた金でギャンブルを仕掛けていたわけで、この時点でお金に飲み込まれてます。ろくに理解もしてない複雑な商品を元本もないのに借りたら破滅を待つのみです。
リーマンショックで未曾有の円高になると、そもそも借りたお金ではポジションを解消もできず、日産への付け替えを決断、それがあからさまで取締役会の承認を得ることが困難だとわかると、一度、アラブ人脈に頼って信用状を発行させ、その手数料、礼金を日産から複雑に動かして払う選択をしています。
当時、新生銀行で関わっていた人には現在、政府の要職に就いている人もいますし、アラブ人脈はかなりヤバイ筋で、ぶちまけることも出来ないことのようです。
すでにフランス本国も見捨ててますし、アメリカも動いています。権力、資産を失っゴーン氏をたレバノン、ブラジルが助けるとは考えられず、ゴーン氏がここから巻き返すことは不可能でしょうね。
壮大な「杜子春」を見せてくれたな、と思います。どれだけ巨額資産を手にしても、他人と比較し、お金に飲み込まれて仕舞えば、悲惨な最期が待っているということですね。
シン
お金に支配されすべてを失うという典型的なパターンですね。
ゴーン氏ほどの資産を持っていてもお金が足りないとは人間の欲望とは恐ろしいものです。
庶民と同じ生活をする必要はないですが、ゴーン氏の資産に見合った生活をし、足ることを知るべきでしょうね。
身の丈に合わないお金が入ったり、手に入れようとしても結局その人の器の分しかお金が溜まらないのでしょう。
良い対極がソニー、平井氏だと思います。主な仕事はリストラ、ということは同じですが、前面に出ることを好まず、スルスルと仕事をこなし、正当に高給を受け取り、長期政権に固執することもなく、院政を敷くこともなくサッと辞めました。よく自分のことをわかっている人なのでしょう。
シン
個人が個別株を買うのは、その会社の内情をよく知っているとか、その会社に強い思い入れがあるとか、配当目的くらいでしょう。
友人や家族がその会社に勤めていれば、そこから得られる情報はある意味、どんなAIでも得られないものでしょうし。社員や提供する商品・サービスに触れる機会が多ければ、その会社は伸びるか伸びないかがある程度わかります。
まあ、そのように接触できる会社は、個人だと5社もないと思いますし、こういう株を買っても大勝ちすることはないので、インデックスを買った方が無難なのは同意です。
はじめてコメント致します。
先日テスラが最高値を更新しましたね。自分は去年からホールド、買増ししておりトリプルバガーになりました。今回のテスラにかかわらず、個別株は苦しみや我慢の先の結果が楽しみでやっています。
コロナ相場はチャンスと思います。ファックユーマネーがあっても再投資し、ただ数字が増え自分が正しかったと実感できるのが醍醐味でやっています。
シンさんのブログは数多くの金言に溢れており、自分の考えも改めさせられ感謝致します。
また更新されることを楽しみにしております。