じゃあ、国際公務員

若い人向けに記事を書きたいな、と思います。特に海外に憧れる若い人向けに何かしらのアドバイスとまでいかなくとも、示唆を与えるような記事を書きたいと思っています。そこで、憧れている人の多い国際公務員について書きます。

成り方

まずはどうすれば国際公務員になれるか?、ですが、公式には英語、フランス語どちらかで業務遂行能力があり、修士以上の学位があれば、応募できる、ということになっていますが、ほとんどの場合で英語圏、特にアメリカのトップ30程度の大学の修士、博士を持っているのが暗黙の足切りです。

日本人でアメリカのトップ30以内で男性、理系修士、博士をとっていて、英語インタビューに耐えられ、短期のインターンシップでそつなく立ち回ることができる人なら、かなり高い確率で採用されると思います。意外にハードル低くないですか?よっしゃ、やったろか?、と思いませんか? でも、ほとんどの該当者は応募すらしません。理由は任期付きの僻地勤務の契約職員だからです。

日本の国際機関への負担金の割に職員が少なく、理系男性優秀層が留学をあまりしないので、この層の応募絶対数が少なく、流行りのポリティカリーコレクトナスから採用されやすいのですが、普通に考えて、このクラスの人が契約職員なんかしませんよ。本国に帰って、アカポス狙うためにアメリカに行くんだから。

よくある例として、日本の私大文系を出た後に国際公務員目指して、アメリカの国際関係論みたいな学位を取りに来る日本人女性は供給の割に需要があまりありませんし、多くの場合、英語力に問題があり、最初から土俵に上がれません。普通の日本人でたった2年の英語圏滞在では業務遂行レベルにはまずなりません。明石康さんの英語力は酷いものですが、時代が違うので、あのレベルなら、話し出した瞬間に不合格だろうと思います。

契約

先ほど書いた国際機関の契約職員について、少し詳しく説明をすると、ほとんどのオープンポジションはジュニアポジションという2年契約で、オプションで1年追加、というものがほとんどで、僻地勤務というだけでなく、治安、安全、衛生に大きく問題のある国への派遣になることも多いです。NY、DC、ジュネーブ、パリなんかで、キラキラした生活を送れるポジションに空きはあまりありません。

ジュニアポジションが終わったら、本採用になるか、は空き状況によるので、雇用は不安定で、改善させようという動きはあるものの、各国の負担金未納が日常化している国際機関がそれを実現させる可能性は限りなく低いです。いつになるかわからない本採用を目指して、力を持つ人間に媚を売り続ける必要があります。

それとは別に母国からの出向者もいて、多くが外務官僚の箔付け、インターンシップ、天下り先、というような位置づけもあり、今の国連のトップは韓国人の元外務官僚で、母国の意向に沿った行動をするのも当然です。ちなみに明石康さんは現地採用で、日本で官僚出身ではなく、今の現地採用日本人トップは中満泉さんという人です。キラキラ女子の憧れみたいですよ。

イメージでは華やかに映り、国をまたぐ、母国関係なく、国際人材が集うと思われている国際公務員ですが、実態は日本企業の駐在、現地採用と同じように母国との関係が密接に結びつく雇用契約になります。遊び感覚で派遣されている母国で外交官をしている人を尻目に、契約職員が将来に不安を抱えながら、一緒に仕事するわけです。

また、国連など、国際機関は戦後レジームを強く引きずった機関なので、公用語は英語、フランス語(実態は英語一強)で所在地は戦勝国に散らばっています。スイスは例外ですが、最大都市のドイツ語圏チューリッヒでなく、フランス語圏のジュネーブにあるのが象徴的です。フランスの出先みたなもので、戦勝国の人間が幅を利かせて、闊歩しています。

コネ

国連、韓国人トップのコネ人事、韓国への露骨な援護射撃が非難されていますが、この辺はどんな組織でもある政治の世界であり、国際機関だからクリーンであるなんていうのは幻想です。母語、文化、利害が絡んだ一般企業以上のドロドロのコネ社会であり、力を握った人間が母国出身者、近隣諸国出身者などを優先雇用しようとしたり、昇格させようとしたりして、クチャクチャの人間関係になっています。

日本でもNGO団体、研究機関なんかに皇族、元華族が勤務するのと同じように、聞こえがいいので、特権階級の人が履歴書に書ける勤務実績を作るために国際機関に入ることもありますし、それっぽさを出すのに最適な就職先、ということなんでしょうし、日本の少しお勉強ができるお嬢ちゃんの憧れにもなるのでしょう。

有名な人だと、オノヨーコさんの妹さん、節子さんも国際機関、財務畑で働いていた経験を持っていますが、彼女は安田財閥創設者の外孫にあたり、特権階級の出身なんですよ。実際、彼女の育ちで得たコネで日本側、橋本龍太郎元首相からの推薦を勝ち取って、そこそこの地位まで上がった、と本人が言っていました。このくらいになると、コネもビックです。ちなみに緒方貞子さんも特権階級出身です。

こういう団体に勤めていると、コネもできるので、その後の人生にプラスに働くことも多いですから、契約職員だから嫌だ!と言わず、2年間のインターンシップで働くんだ!、という軽い気持ちでやるのもいいかもしれません。とにかく、非正規雇用でも、ハッタリは利くので、それっぽいことするのにもいいかしれません。

まとめ

日本人でトップ、セミトップレベルの英語圏大学でフルスカラーシップとれる理系優秀層が非正規国際公務員なんかにならないだろうな、と思います。そんなことするくらいなら、他にもっと旨みがありそうなことはいっぱいありますし、単にアメリカで就職すれば、正規ポジションで、もっと待遇がいいので、非正規で僻地勤務なんてやりたくないでしょう。

文系が自費で家が立つほど投資して、英語圏の大学に通い、修士、博士まで取り、非正規雇用を転々として、我慢を続け、正規雇用を狙い続けるなんてもの好きも良いところです。そういう人は富裕層出身が大半なんでしょうし、お金じゃないのかもしれません。本来はそういう人に非営利組織で働いてもらったほうが汚職が減って良いです。

国際公務員はそんなに国際的でもなく、母国の援護射撃なしに業務にならないという点では日本企業の駐在とそう変わらず、やることは母国との調整役みたいなポジションになりがちで、母国のカウンターパートが官僚なので、ややこしいことも多いでしょう。日本の官僚方式で指示してきて、現場で板挾みになりそうです。

だったら、最初から日本で官僚になって、国際機関に出向した方がいいですし、わざわざアメリカの高い学費を自費で払って、現地採用で国際公務員目指す意味も見出せません。官僚なら、公費で留学できますし、国際機関に出向している時も日本の公務員としての立場があり、任務が終われば、帰るだけです。

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、国際公務員” への 4 件のフィードバック

  1. シンさんこんにちは。すごく下らない事ですが質問させて下さい。
    1、非ネイティブで業務英語に問題無いレベルなのは傾向として欧州国や、アジアではインド、フィリピン、シンガポール、マレーシアあたりの人が多いのでしょうか?彼らと日本人の差は幼少時からの英語学習や母語と英語の乖離の程度の問題ですか?

    2、「見た目が白人でない」事の不利に関してですが、白人にとって
    白人>非白人といっしょくたなのか或は非白人の中でも更に序列を付けて見ているのでしょうか?だとしたら東アジア人は最下位ですか?見解をお聞かせいただければと思います。

    1. sorolさん、

      1、そうです。英語が教育言語として使われている国のエリート層は業務上問題ないレベルで扱えますし、欧州母語話者は英語との親和性の高さ=英語力の高さだといってもさしつかえがないです。逆に言えば、英語と遠い欧州母語話者はそんなに英語が得意なわけでもないです。

      2、アメリカの話をすると、白人は社会的地位で言うと、非白人の中でも黒人、イスラム教徒を特に嫌がる傾向があります。人によりますが、東アジア人はさほど差別対象ではなく、どちらかというと脅威に感じている節があります。東アジア系の平均的教育レベルは高く、手に職を持つことを優先にするので、平均収入も高いです。単に人気のことを言うと、東アジア人男性は本当に人気がなく、最下位だといってもいいかもしれません。東アジア人男性で白人女性を手にする人はかなり少数派で、黒人男性のほうが性的アピールがあるようです。また、イスラム教徒でないなら、アラブ系、イラン系は人気があります。女性に関してはアジア人女性は白人男性に人気があり、ちょっとオタクっぽい白人男性はアジア人女性が好きです。ついでに言うなら、白人の中でも序列があり、アングロサクソン、ゲルマン、、、と細かく分類されます。

      シン

      1. シンさん 丁寧にご回答ありがとうございました。
        白人の非白人への感情は見た目だけではなかったんですね(笑)

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