どれだけ技術が発展しても、営業という職種がなくなることはないと思います。
獲得
多くの人が想像する営業は新規案件を獲得することですが、実はそれほど多くないです。新規に獲得しようにも、B2Bだと、売れる客先自体が限定されているケースの方が多いからです。ほぼ誰でも必要とし、誰にでも売れる商材を扱っていない限り、純粋な新規獲得営業というのはありません。
広告代理店、コンサルくらいしか、そう言う職種はないのかもしれません。だから、リクルート、電通営業、コンサル営業は異常な勢いがあり、どこにでも飛び込んでいくようなことをする人達の集まりなんでしょうね。
誰から買っても良い、という条件の中で、あえて自分から買わせる、という能力を持った人は稀有な才能であり、ナンパ師みたいな根気、メンタルを持った人でないとできることではないです。
調達
営業の会社みたいですが、実は調達の会社も多くあります。例えば、イケイケのオープンハウス、キーエンスは調達の会社であり、売れる商材をひたすら用意し続けられるから売れるのであって、弾がなければ、打てません。
オープンハウスだと、首都圏で戸建てを手頃な価格入手したい、というニーズに対して、供給できる体制にあれば、あとは徹底的なマニュアル営業で売ることが可能になります。営業マンが嫌でも、他に選択肢がほとんど存在しないので、飲むしかなくなります。
キーエンスにしても、顧客ニーズを掴んで商品企画をし、実物を作ってしまう、という調達行為があってこその営業であり、顧客が必要としてないものを売ることなどできません。一度は勢いで売れたとしても、ニーズにマッチしてないと長続きしません。
それでも、営業マンで数字に差が出るのは、ニーズを持った人がどこにいるのか?、何を説明すれば納得するのか?、を理解しないと売れる相手が見つけられないからでしょう。そのノウハウを体系化したのが、オープンハウスであり、キーエンスでしょうね。
技術
以前、私はほとんどのエンジニアは営業に転換していくことになり、営業力のないエンジニアは生き残れない、という記事を書いたことがあります。理由は技術が進化し過ぎて、研究要素が強くなり過ぎた為、一部のトップエンジニア以外は、既存のプラットフォームに乗っかり仕事をするのが一般化したからです。
いくら良いプラットフォームがあっても、それを顧客が必要な形に合わせていくことは必ず必要になります。その調整ができなければ、数字にはなりません。この調整役は増えていくでしょうし、需要がなくなることはないでしょう。
逆に言うと、プラットフォームが持つ技術を理解し、顧客ニーズに当てはまることができないなら、顧客窓口にはなれないということです。技術はわからないが、テックカンパニーの営業、なんて言うのは、特殊なケースを除いてなくなるでしょう。
まとめ
AIが発展すれば、営業なんて要らなくなる、と言うことはないです。AIは何もないところに火をつけることはできないし、需要を掴んで商品設計することもできません。どんなにChatGPTが優れていても、その機能を顧客自身が外部の助けなく使いこなせることは滅多にありません。
AI時代というのも、特殊な状況ではなく、過去にも存在した技術の転換期に過ぎず、その状況に合わせた取り組みをする人には、むしろ、仕事を増やすチャンスだと思いますね。
ただ、通り一辺倒の提案しかできない人は、AIに仕事を取られる、というだけでしょう。AIが得意とする事実の羅列だけでなく、そこから得られた情報を元にしてより付加価値の高い仕事をできるようにしないと、価値がなくなるとは思います。
メーカーの人事が開発から営業部長、生産技術から調達部長という流れができてきてなるほどな〜と思ってます。
コミュニケーション能力だけでなく、現場や技術をわかった上で動ける体制なんだと。
単にコミュ力だけで何ができるなんていうことはほとんどなくなったということでしょうね。
シン
設計がわかれば仕事の取り方わかりますし、生産技術なんかは手配屋だから設備調達が仕事だから投資を考える調達と相性がいいですからね。
10年前は研究、開発、営業と職種が分かれていたのですが、いまは研究と総合職(開発、営業)といった括りで採用が進んでいると実感しています。
その上で、下記の指摘はご尤もであり、アメリカで開発された商品やサービス(AWSなど)を顧客の業務に如何に当てはめていくか、が評価ポイントです。そういった意味でいうと最早、開発と営業には差がないですね。(営業は顧客業務を理解しないと提案ができない。最初の入口部分のビジネスを担う。開発は後工程と出口のマネジメントまで責任を負うといった感じでしょうか。)
ちょっと前までは、ちゃんと設計ができてコードまで落とし込める人が凄いとされてきましたが、
今は設計さえできればAIに設計書をぶん投げれば動くコードが吐き出されますし、技術のインフレ化が進んできたと思っています。
そうなると、ユーザ企業が出来なかったITの施策の計画・実行が容易になってきたわけで、(日本独自の)SIerにアウトソースする仕事もシュリンクするのではないか。と思っています。
アメリカでは、要件定義は化石。SIerの文化も無いですし、いずれ日本もそうなっていくでしょうね。
訂正です。
誤:アメリカでは、
要件定義は化石。SIerの文化も無いですし、いずれ日本もそうなっていくでしょうね。誤:アメリカでは、ウォーターフォールは化石。SIerの文化も無いですし、いずれ日本もそうなっていくでしょうね。
やっぱりそうですよね?
要件定義がないと、そもそも何をしたいのかわからないので、なくなることはないと思います。ざっくりした顧客要望をできることできないこと、を切り分けて、各ゴールに対する予算提案を行う、という営業活動が存在しなくなることはないと思います。
そして、上でガチガチに固めてから下に投げていく、というような仕事の仕方、ウォーターフォールは無くなるだろうと思います。小さなチーム内で議論を続けながら試行錯誤をして修正をするようなアジャイルが当然になるでしょう。でないと、コストも納期も異常にかかって競争力がなくなってしまいます。
シン
>私はほとんどのエンジニアは営業に転換していくことになり、営業力のないエンジニアは生き残れない
ハード、ソフト問わず、技術の進展が早くなりかつ高度になりすぎて、理工系でphdホルダーでも研究レベルに延々キャッチアップしていくのは、全員が全員できる状況じゃないですね。
最近、日本でも外資を中心にカスタマーサクセスエンジニアみたいな職種をよく聞くようになりましたけど、こういう営業・サポート・コンサルティングが一体化した技術職は今後も増えていくと思いますし、これを文系出身で技術も理屈もわかりませんという人ができる気がしませんね。
What Is a Customer Success Engineer? – SmartKarrot Blog
日本人は文系→営業、理系→開発みたいな刷り込みに洗脳されてますけど、まず実需のある理系を先行したうえで、自分に向いた職種を選択するというのが一般化するべきでしょうね。
>日本人は文系→営業、理系→開発みたいな刷り込みに洗脳されてますけど、まず実需のある理系を先行したうえで、自分に向いた職種を選択するというのが一般化するべきでしょうね
私の意図とそこにあります。そもそも営業要素のない技術は消滅傾向にあるし、技術要素のない営業も消滅傾向にあります。入口としてどちらが有利なのかというと、技術から営業だ、ということです。逆も不可能ではないが、ハードルはかなり高くなります。
一定の成果を出してさえいれば、転職時に勤務希望はほとんど通るので、キャリア初期の新卒、第二新卒時点でこだわらなくても良いと思います。そこにこだわって、キャリア形成にとって不利な選択をする必要もないです。
シン