日本で住宅ローンを組むとオーバーローンになりやすいです。
頭金
日本ではある程度の頭金を用意しなくても住宅ローン審査が通ります。マイナス金利、異次元緩和によって銀行は返せる見込みが薄い人に無理やり貸し出してしまっている感があります。
家賃を払い続けるくらいならローンを借りて家を買う。そのうち自分のものになる。という安易な考えは頭金を用意しなくても良いフラット35を使う人には魔法の言い訳だと思いますね。
頭金を用意できない人たちが家を買うと、買った瞬間からオーバーローンになります。取得にかかる諸経費まで借りている上、仲介業者の手数料が入るので、ガッツリマイナスです。
新築
日本人は新築が大好きです。中古市場はまだまだ未熟であり、自宅を売る、ということが敗北のように感じる文化があります。新築で自宅を買い、死ぬまでそこで生活するのが正義、ということですね。
それが、他国だと状況に合わせて売買しながら住み替えていくのが当たり前であり、そこに余計な感情はありません。家族が増えて広い家が必要なら買うし、減ると売る。その時に最適な家を手にするだけです。
新築は買った瞬間に2、3割価格下落が発生するぼったくり商品といえるでしょう。まったく同じ建物でも、ご祝儀価格で割高に値付けされる上、中古になった瞬間に値下げしないと売れなくなります。
日本では土地くらいしか値上がりする見込みはなく、地価の安い地方だと、住宅価格は下がる方向にしか動きません。だいたい20年すると家自体の価値はゼロになります。リフォーム代かけて、少し値をつけるくらいのものでしょう。
スタグフレーション
今、大きなインフレが来そうな感じはしますが、日本は過去三十年間デフレでした。値段は下がるのが基本であり、上がるということはほとんどありませんでした。それだけでなく、購買力も下がってきました。
単にインフレになり、所得が上がり、為替が適正レベルなら問題ありません。時間と共にローン残高は適正化され、なんとかやりくりできます。これが、スタグフレーションになると手がつけられません。物価上昇しても、所得が下がれば、買い手は消滅します。
日本はスタグフレーションに向かう可能性が高いです。円安で輸入品が値上がりするが、競争力を失い輸出するものが少なくなりました。産業構造が変化しておらず、ソフトウェアで稼ぐことができず、利益率を上げることもできません。安くて良い、から脱却できないのです。
効率悪いやり方に固守する老害たちによって後進国になりつつあります。価値の高いことに時間をかけ、価値の低いことは自動化する、ということが否定されています。何をやっているのかわからない社員も解雇せず養い続け、有能な社員は出て行く。泥沼です。
まとめ
日本で家を買うな!だとまでは言いませんが、頭金を十分に用意すべきです。中古市場をよく見て、新築で買ったら何割くらい下がるものなのかを意識した方が良いでしょう。そして、オーバーローンになる見込みなら買わない方が良いです。
どんな投資も同じですが、出口を意識せず、感情だけで入れば、行き場を失って破産しかねません。今の日本だと、一度失敗すると立ち上がることは難しくなりつつあります。国が成長段階ならともかく、衰退段階ですからね。
シンさん 皆さん
2021フラット35利用調査を見ますと、平均でローン完済年齢73歳で60歳時のローン残高
は1300万円となっております。これだけ見ても間違いなく、オーバーローンだと思いま
す。ちなみに三菱総合研究所によると、「60歳時に借金が1000万円以上あると老後破
産の可能性大」だというです。
こうなってしまう最大の理由は、頭金がかなり少なくかつ購入時の年齢が平均40歳
と遅いからです。シンさんがおっしゃるように、頭金を用意できない人たちが家を買うと、
買った瞬間からオーバーローンになります。 この利用調査を見る限り頭金は、世帯年収が
500万円でも800万円でも大差はありません。800万円の方が高い家を買うので、借
入金額がずっと多く4000万円を超えています。都内の新築マンションでは、 6000
万円を超えることも珍しくないようです。仮に4000万円だとして40歳で購入し平均的
な金利で20年ローンの月の返済額は、18~19万円です。この支払が可能なのは、
パワーカップル以外滅多にいないと思います。ただし、これだけの金額を20年維持できる
パワーカップルはどれだけいるでしょうか。可能性があるのは、子供がいない場合と地方公
務員カップルではないでしょうか。
オーバーローンとなる最大の理由は、頭金が少ないことです。購入時の年齢が40代と非常
に遅いにもかかわらずです。これはシンさんが以前よりおっしゃっている
「勤続年数×100万円の貯金」を長年にわたって怠った結果です。
三菱総合研究所が出した試算と、金融庁が出した老後資金2000万円。どちらも全く自分達
とは関係ないと考えていると思います。
>2021フラット35利用調査を見ますと、平均でローン完済年齢73歳で60歳時のローン残高は1300万円
インフレが起こらなければ破綻、ということになりますね。逆にインフレさえ起これば、健康なら生活費くらいは働いて稼げば良いです。
シン
記事感謝します。
ネット銀行で2000万のローンのシミュレーションをすると印紙代だけで70万でした。これに手数料がのるんで、金借りるだけで100万が飛びますね。
ローンって、ランニングの金利だけに目が行きがちですけど、イニシャルの手数料もここぞとばかりに、ボッてくるので注意がいると思います。
あと、一括で買うよりもローンの方がお得だと耳にしたことがありますが、そんなことはないと思います。
ローン減税で最大40万帰ってきますが、給与所得者の所得税からなので、せいぜい年間20万がいいとこではないでしょうか?
そう考えると、不動産一点張りでローンを組むよりも、金融資産を分散して保有する方が良い気がします。
また、今日の記事に載ってたんですが、地方路線が軒並み赤字で収支が取れないみたいです。赤字路線は廃線または縮退運行となり、地方に住む事自体がリスクになってくると思います。(車が無いと生活できない人たちは、エネルギー費が値上がりするのが確定となった今、収入も比例して上がらなければジリ貧です。)
日本で不動産価格の上昇が見込める場所は限定的です。インフレが起これば話は別ですが、起こらなければローンを組んでまで買うようなものではないと思います。インフレが起これば、債務が圧縮されるのでお得です。
ローン全般として安く借りられるなら借りる方がお得ではあります。住宅ローンは他であり得ないくらい安い金利で借りられるので、ギリギリまで借りて他で運用、ということもできますね。自営業、投資家なんかは借りるべきだと思います。ただ、運用、という観点もない人が目一杯借りれば、老後破綻が待っているでしょう。
シン